表紙は目つきの優しいカオルちゃんです。物陰から除いているロランド様とフランセットさんが味わい深い…
あらすじ
ポーションを生み出すチート能力を貰い、異世界に転生したカオル。行く先々でポーションチートを使っていれば、目立ってしまうは世の道理。ユスラル王国でも奇跡を生み出したカオルを追ってやってきたのは、カオルと因縁浅からぬ(と勝手に思っている)ブランコット王国の王太子・フェルナン。だけどカオルはすでに去った後で――一方カオルは、興味の向くまま生魚を食べたり、温泉地で盗賊退治をしたり!?大人気シリーズ第4巻!
みどころ
相変わらずのショートエピソードの組み合わせで進んでいきます。
それぞれのお話に若干のつながりは存在しながらも、ほとんどどの順番で読んでも大丈夫なくらい個別なお話です。ネタバレにならない範囲でピックアップすると。
- 新しく雑貨屋を始める
- 恵まれない貴族を助ける
- 恵まれない馬を助ける
- 盗賊に襲われた村を助ける
相変わらず、予定調和でそこに至るまでの道のりを脳みそを空っぽにしてゲラゲラと笑いながら読み進めるのが本作品の正しい楽しみ方です(断言)。
ちなみに、4巻から従来型の挿絵に追加して、小さいスタイルの挿絵が追加になりました。これがいい味を出しています。
こんな感じで本文中にいきなり挿絵が出てきます。
あたらしいお店
3巻の反省を生かして、雑貨屋を開くカオル一行。今度はロランド様やフランセットさんも一緒に住む模様です。
今度はあまり目立たずにひっそりと暮らしていくつもりだそうですが、果たしてどこまで持つのやら…と3巻まで読んだ好みとしては思わなくもありません。
あたらしいお店を拠点にして、4巻のお話は進んでいきます。
相変わらずの時代劇スタイル
FUNA先生の作品は「能力は平均値」でも同様なのですが、基本的に登場人物の関係性は大きく変わらずに、短いエピソードの中でそれぞれの登場人物が見せ場を発揮するスタイルが多いようです。そう、大河ドラマと言うよりは時代劇。
ゲストキャラクターとメインキャラクターには明確な線引きがあり、基本的にはゲストキャラクターはそのエピソードで出番終了です。
メインキャラクターの役割もほぼ固定されていて、誰かが急に成長をしてあたらしい役割を担うこともあまりありません。特にこの作品ではそれが顕著なように思います。(徐々には成長していますが…)
時代劇仕立てだと、ストーリーの幅は限られてくるのですが、そこで面白いお話を作るのがFUNA先生のすごいところです。
だいたいにおいて、女神のご友人で超常の力を持っているわけですから、基本的にはカオル一行が勝利してエピソードが完結していきます。水戸のご老公が最後にカッカッカと笑って終わるのと条件としては同じなのです。勝負の結果は決まっているので
どのように勝利するかという How の部分が見所になっていきます。
4巻も一癖、二癖もあるゲストキャラの皆様が織りなすドタバタ劇をゲラゲラと笑いながら読むのがこの作品のお作法だと思われます。今回のエピソード群でもゲラゲラ笑いながら楽しく読ませていただきました。
水戸黄門とか暴れん坊将軍好きにはたまりません。まあ、挿絵的にはヤクザの親分が女を侍らせているようにしか見えませんがw
ロランド様の憂鬱
読み切りもそうなのですが、4巻でも相変わらず立場の弱いロランド様。3巻よりは出番が多いのですが、もうちょっと報われてほしいなぁ。
Munackyはロランド様を応援しています。