表紙は麗しのアイリア様と4巻で初登場のエレオラさんです。眼福…
あらすじ
異国の皇女、襲来!
長きにわたるミラルディア北部vs南部の戦いがついに終結!?魔王軍と同盟を結んだミラルディア南部の八都市は、
新たな国家『ミラルディア連邦』を結成。
俺(ヴァイト)たちが理想としてきた
魔族が安心して暮らせる国づくりは順調に進んでいる。そんな中、ザリア戦での戦利品である一振りの剣が
ミラルディア最北端の採掘都市の家宝であったと判明。
剣を返却して恩を売るついでに、
採掘都市を視察しようと考えた俺は
極秘で採掘都市へと向かい、太守との面会を果たした。しかし、そこには太守だけでなく、
危険な香りを纏う“異国の皇女”(エレオラ)の姿もあって……!?南部vs北部の戦いに新たな勢力が登場!
ミラルディアの戦いは怒涛のクライマックスへ――!!大幅加筆&書き下ろしストーリー「皇女の休日」を収録!
みどころ
北の国からやってきた帝国の皇女たるエレオラさんが一部の北部太守と協力して、北部をその手中におさめます。
その手腕の鮮やかなこと惚れ惚れとしてしまいますが、そのエレオラさんの活躍をリアルタイムに情報収集して、今後、エレオラさんの軍勢がどう動くかを見極めようとするヴァイトくんと南部の皆様の頑張りにもスポットライトが当たっていきます。
「人狼への転生、魔王の副官」シリーズは殆どがヴァイトくんの1人称視点でお話が進んでいきますが、4巻ではヴァイトくんの視点のほかに結構な割合でエレオラさんの視点での物語が展開していきます。そのため、この間では両者の思惑やしがらみなどが俯瞰的にわかるようになっており、多面的に状況を書き出していきます。
色々と各方面の思惑も絡んで悪巧みの様相を呈してきます。
苦労人の皇女ことエレオラさん
表紙にも出てきますが、4巻のストーリーの鍵を握るのが、新登場のロルムンド帝国の皇女たるエレオラさんです。
その人となりは謹厳実直、真面目一筋と言ったところですが、そのせいで色々と苦労する羽目になります。エレオラさんの悩みや葛藤も描かれていくのですが、本当にこのエレオラさんが個人的に好みのタイプのツボにはまり、おっさんながら登場人物に惚れてしましました。まあ、たまにあるよね。そういうこと。
悪徳商人マオと役人魔術師カイトくん
筆者の漂月先生が脇役好きということもあり、この二人の脇役への愛を感じます。マオさんはかなりの初期から登場して、その有能な脇役っぷりを発揮しておりましたが、4巻で新登場のカイトくんもいい感じに脇役臭(褒め言葉)が漂っていていい味を出しています。人狼にたぶらかされるカイトくん最高。
カイトくんは真面目な官僚型でマオさんは悪徳商人と水と油な感じです。このふたりが出会うシーンとかもうほんとうに面白くてニヤニヤしてしまいます。
ただ一人 、カイトだけがマオの顔をまじまじと見つめていた 。そして静かに言う 。
「お前はあのときの悪徳密輸商 … … 」
マオはふと首を傾げ 、そして何かに気づいたようだ 。
「あなたは元老院のクソ調査官じゃないですか 」
「誰がクソ調査官だ ! 」
「賄賂を受け取らない官吏は全員クソ野郎ですよ 」
いや 、それはお前が間違っている 。
「なんだ 、知り合いだったのか 」
あー、なんか全然関係なさそうな二人が実は知り合いだったという状況はぐっとくるものがあります。
書き下ろし「皇女の休日」
Web連載が行われている作品の書き下ろしというのは殆どがメインのストーリーの時系列から外れた外伝的なものが多いのですが、4巻の書き下ろしはなんと4巻の本編が終わった直後のお話ということで、あまり外伝という感じではありません。
メインストーリーにがっつり絡んだ来る書き下ろしというのは本当に珍しいです。書籍版で初めて出会えるエレオラさんの日常にも迫れます。Web版だけしか呼んでいない人は是非とも書籍版のこの章を読んでいただきたいです。本当に。
Munacky はエレオラさんを応援しています。