ラノベ感想

本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第4部「貴族院の自称図書委員IV」感想

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表紙はローゼマインにフェルディナンド様、ジルベスターです。
それにしてもタイトル長いなぁ。

あらすじ

公式より

近付く春。ローゼマインに下町組との別れを悲しんでいる暇はなかった。貴族院の一年生が終わり、やることはてんこ盛り。
ルッツと約束した本を増やすことはもちろん、春を寿ぐ宴ではエーレンフェストの政略として、ヴィルフリートとの婚約を発表。上位領地への対抗策を次々に繰り出す。
神官長との魔術具のインク作り、直轄地を魔力で満たす祈念式、ハルデンツェルでは図らずも古い儀式を蘇らせることに……。領地の発展を目指し、下町の大規模な整備まで実施する中、他領の暗躍も活発になっていく。
雪解けに祝福を! 領地に繁栄を! 春の訪れに華やぐビブリア・ファンタジー最新刊! 
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みどころ

最近は貴族院の学園とエーレンフェストを行ったり来たりしてましたが、この巻はじっくりと(?)エーレンフェストに腰を落ち着けて小さなエピソードを積み重ねていきます。

そんなわけで、久々に下町の皆さんや神殿の皆さんも登場して活躍してくれます。

こういう、小さいエピソードの積み重ねが登場人物の描写に深みを与えていくことに成功しているように見えます。

ローゼマインの婚約

ジルベスターをはじめとする様々な人たちの思惑により、ローゼマインとヴィルフリートの婚約が決まります。二人ともお互いの愛情や感情などよりも周りの人との関係性や実利で婚約を了承している感じなのが印象的です。こちらのお貴族様ではそれが普通な世界感なのか、周りもそれでオッケーな雰囲気を醸し出しています。

二人とも思春期前なのでしょうがないのでしょうか?って、転生前の記憶があるローゼマインの精神年齢はもっと上でしょうが、と一人で突っ込みつつ、まあ、お互いに知らない中でもなく、特に遺恨もないので、これでいいかと妥協している印象を受けました。そのうち、連れ添っていくうちに愛が芽生えることをおじさんは期待しています。

活字作りにおける職人たちの奮闘

今回のエピソードの中で個人的にツボに入ったのが、新しく活字づくりを始めるハルデンツェルの職人と、ローゼマイン肝いりの職人ヨハンとのやりとりでした。

活字の製造精度について、ヨハンとハルデンツェルの職人たちの間で丁々発止のやり取りが繰り広げられます。ようは、発注した通りにできてないということで、揉めるわけです。

結局はローゼマインが活字の使い方を実演して、どこの精度がポイントかを丁寧に説明することによって、ハルデンツェルの職人たちに納得してもらうので、「うんうん、あるある〜」状態になりました。

ソフトウェアの仕様書を書くときもシステムの振る舞いを書くだけではなく、どうしてこの仕様になったのかなどの経緯や背景を書いておかないと、ポイントが正しく理解されないことがあったり、適当に決めた仕様が背景も理解されずに神のお告げのごとく後年に渡って受け継がれてしまったりするとがあったりするので、ちゃんと認識合わせるのは重要だよねぇと勝手に一人で納得していました。

劇的ビフォーアフター

この巻の終盤で下町に下水道が完備(?)されます。エントビッケルン(Entwicklung)という魔法です。もとはドイツ語なのですが、直訳すると「開発」です。作中では劇的ビフォーアフターと呼ばれていました。そんなに何度も連呼されると権利的に大丈夫かしらと心配になるレベルで劇的ビフォーアフターが使われていました。

領主の魔法で街を作り替えてしまうと言うとてもスケールの大きなお話です。

そりゃ、貴族様には逆らえませんのう。

そして次号に続く

この巻は小さな事件の積み重ねですが、次巻では色々とお隣の領との争いごとが本格化してきそうな感じです。さてさて、どうなりますやら。

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