表紙は主人公の織田さんとシベリア鉄道です。色使いがロシアっぽさを出しています。
あらすじ
公式より
女1人でユーラシア大陸横断旅。芸術の都サンクトペテルブルク、赤の広場のモスクワ、そして7泊8日のシベリア鉄道。謎めいたロシアを初観光!ちょっぴり怖い印象のロシアだったけれど、美しい風景、ロシアの人々との触れ合い、美味しい料理と、意外とあったかいロシアを満喫します!
近くて遠い憧れのロシア
Munacky はロシアとかソ連が好きです。
その昔、Super 大戦略の昔からソ連軍を選ぶくらいはソ連好きです。戦車といえば T-72、飛行機といえばミグかスクホイだし、ヘリコプターといえばハインドです。
カスピ海のエクラノプランとか、怪しい雰囲気が大好きでした。あの、ぼやっとした白黒の写真がたまらないです。
80年代のソ連といえば、Super大戦略だったり、ロッキー3だったり、レッドブルのイメージです。そして、ソ連が崩壊し、時代が変わり、ロシアの様子もだんだんとわかるようになってはきていますが、それでも近くて遠い国というイメージです。そんな時、定期的にチェックしているロシアのニュースサイトおそロシ庵でこの本が紹介されていました。
それなら面白いに違いないということで、早速 Amazonでポチッと購入してしまいました。
みどころ
全編を通じで、織田博子さんのほのぼのタッチで描かれる旅行エッセイ漫画です。織田さんはサンクトペテルブルクを出発し、ハルピンを経由して北京に入ります。
旅の始まりから終わりまでを体験記とし綴っています。もちろん、主人公は作者の織田さんなのですが、なぜか豚として描かれています。そこまで卑下しなくてもと思っているのですが、この豚さんが可愛い。
エルミタージュ美術館に訪れた時の一コマなのですが、その舞い上がりっぷりがとっても素敵です。
後から気がついたのですが、主人公を豚で描写することによって、男性である自分でも違和感なく主人公に感情移入できる効果があるなと気がつきました。読んでいるうちに自分がロシアで鉄道旅行をしている気分にさせてくれる、そんな不思議な本です。
ロシア人あるある
鉄道の中だけではなく、出発地や経由地の描写もふんだんにあり、ロシア人の生活を垣間見ることができます。
中でもロシア人のイメージといえば、顎をクイっとやって場所を示すジェスチャーでしょうか?
ただ、これはロシアの人が冷たいというわけでは無く、シャイなんだそうです。
そのほか、作中で描画されているロシア料理がどれも美味しそうです。
なんですと、これが美味しそうに見えない?よかろう、ならばシベリア送りだ(AA)。
魅惑の長距離鉄道旅行
日本では何日も鉄道に乗り続けることはありません。それだけに、シベリア鉄道に1週間くらい揺られて旅をするということだけで、非日常感が漂ってきます。
多分、自分がひとり旅で鉄道に何日も揺られて知らない人たちと過ごすとストレスで体をこわすかもしれませんが 、この本を読むのであれば、楽しく旅行気分に浸れます。
鉄道旅行と自転車旅行の共通点
スケールが違すぎて、比べるのはおこがましいかもしれませんが、エピローグで作者の織田さんが飛行機でシベリア上空を飛んで、地上に思いを馳せるシーンがあります。
あの感覚って、自動車や電車で移動するときに自転車で通ったことがある場所だと、なんとなく土地間の繋がりみたいなのがわかって嬉しくなる感覚に通ずるものがあるなぁと(勝手に)ほっこりしました。
ああ、鉄道は無理でも自転車に乗って旅に行きたいなぁ。