読書感想

「おとなの教養 ー 私たちはどこから来て、どこへ行くのか」(池上彰)感想

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表紙は池上さんのバストアップと「教養とは自分を知ることです。」というキャッチフレーズです。ワンフレーズで断言するという最近はやりのスタイルですね。

公式より

現代の教養とは「自分を知ること」です。
あなたがいま、身につけるべき教養とは何か? 「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」「歴史」「日本と日本人」。この7科を貫くのは、「自分がどういう存在なのか」を考えようとする問題意識。7科目のエッセンスを講義形式で明快に説く。将来かならず生きてくる「教養の本質」が一気に身につく!

きっかけ

中年も下り坂にさしかかってきた Munacky です。最近、老害化しつつある自覚が芽生える今日この頃ですが、一旦仕事以外のことで、教養を身に付けたいなと思っていたところで出会った言葉が「リベラルアーツ」でした。

Amazon や本屋に行くとリベラルアーツだけで本棚があり、世の中ではリベラルアーツが真っ盛りのようです。ひとまず、値段もそんなに高くないし、1番売れていそうなやつを買おうかなと、池上さんの本を手に取りました(と、いうかAmazonでポチりました。)

リベラルアーツとは

池上さんの説明そのまま引用なのですが

リベラルアーツの「リベラル(liberal)」は自由、「アーツ(arts)」は技術、学問、芸術を意味します。だからリベラルアーツの意味は「人を自由にする学問」と言うことです。

人を自由にする学問という表現がいいですね〜。
池上さんはこの本の中で現代のリベラルアーツはどのような学問で身につくのか、持論を含めて7つの学問を使って説明していいきます。公式の案内にあるとおり、「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」「歴史」「日本と日本人」の7つです。詳しくはこの本を手にとってご覧になっていただきたいので省きますが、どれもこれもすぐには役に立たないものの、根源的ですぐに答えが出ない問題ばかりです。

見どころ

最近、一時期に比べて露出の減ってきた感のある池上さんですが、入門者のために広く浅く、色々なことをバランスよく紹介しています。それだけではなく、それぞれの学問の学び方を教えてくれたり、それぞれの学問の関連について言及しているあたり、「さすが、池上さんですのう」と唸ってしまいます。

この本の副題の秀逸なところは「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」と、主語が 「私たち」 となっているところだと気づきました。主語が「私」だったら、答えは単純で「母親の子宮から出てきて、墓に入る」となるところですが、主語が「私たち」となっていることによって、人類がどこから来て、どこへ向かうのかという終わりなき問題に思いを馳せることになります。

巻末もしっかり読もう

普通の本だと、巻末に参考文献が載っていたりしますが、この本は入門書だけあって、参考文献の前に、文献案内として次に読むべき本がリストアップされています。まあ、ほとんどが池上さんの関連書籍ですが、この本を読んだ直後だと続いて手にとってみようかなと思う本がずらずらっと並んでいます。

なお、Kindle で読んでいると、読み終わった後に紹介される本にこの内のほとんどがリストアップされていて、簡単に買えてしまうという恐ろしい状況になっています。(まあ、iOSのKindleアプリだと買えませんが…)思わず、一冊買ってしまいました。

教養に限らず、学び続ける習慣を維持していきたい Munacky でした。

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