ラノベ感想

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 7 case.アトラスの契約(下)

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逆さまのグレイを中心に右側に仮面の女性、アトラス院のズェピアが、左側にエルメロイⅡ世とフラット、スヴェンが配置されています。なかなかに暗示的な表紙。

あらすじ

公式より

決意とともに、故郷へ戻ってきたグレイと、ロード・エルメロイII世。しかし、彼らを待っていたのは、奇怪極まりない『二周目』であった。村の地下に広がる大空洞を舞台に、古き因縁と陰謀が渦を巻く。一方、II世を助けんとするフラットとスヴィンは、アトラス院の院長たるズェピアと対峙していた――。貌(かお)なき白銀の騎士。地底を統べる、仮面の女王。聖堂教会が恐れていた、ブラックモアの墓地の秘密とは。

書籍版

Kidle版

みどころ

7巻はアトラスの契約(下)と言うことで、6巻の謎解きを中心に話が進んでいきます。7巻は基本的にグレイの視点で地の文が構成されています。

村人たち、聖堂教会、そのた大勢の様々な人たちの思惑を元に、グレイの自分探しの旅が節目を迎えます。

ヤル気満々のシスター・イルミア

意外と強い、フェルナンド司祭

それにしても、TYPE-MOON 作品の教会は気がつくと全て聖堂教会の息がかかっているような気がします(笑)

誰も、過去にタイムスリップしたとは思っていませんが、二週目の因縁を解決するようにグレイとエルメロイⅡ世が活躍していきます。例によって(?)、強引な推理で謎を解き明かしていくエルメロイⅡ世。いろいろな人たちのホワイダニットを解き明かし、事件の全貌を解き明かします。所々強引な気もしますが、読み返してみると、確かに伏線が張ってあるのですが、こんなのに気づけというのは無理ゲーです。

基本的に読者は振り回されっぱなしで、この振り回されたあげくに「なんだって~(AA)」と驚いて楽しめないとこのシリーズは辛いです。自分は四章~五章の切り替わりのところで圧倒されました。三田先生、凄いです~。

色々振り回されつつ、小道具もたくさんあるのですが 、基本的にはグレイが自分の過去と向き合い、それを解決して、日常に戻ってくるお話と認識しました。

フェルナンド司祭とベルサックの会話より

短い幕間にフェルナンド司祭とベルサックの会話のシーンがあります。

「だが、そんなもの、あの娘とは本質的には関係ないだろう」

「関係ないと、そう仰いますか?」

「あるはずないだろう。だいたい、昔の慣習を未来の世代にまで押しつけて、犠牲を強いるのが間違ってなくてなんだ」

このシーンに自分はジーンときてしましました。グレイの昔の師匠たるベルサックと、グレイの成長を村の教会の司祭として見守ってきたフェルナンド司祭はちゃんとグレイを保護すべき対象として認識していて、自分たちの責任を果たすべく動いています。

ロード・エルメロイⅡ世の人となり

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿において、エルメロイⅡ世は表層的にはクールで苦労人なのですが、元が Fate Zero のウェイバー君だけあって、うちに秘めた熱情は計り知れません。

五章の冒頭でアトラス院の院長と会話でやり合う場面があるのですが、以下の台詞で胸が熱くなりました。

「不合理を消していった最後に、真実が残るなんて思わない。魔術師ですから、そして、最善や最適解なんてもので行き着ける果てに、とっくの昔に私は飽き飽きしているんだ」

この台詞に、エルメロイⅡ世のホワイダニットが象徴されているように思います。

サー・ケイ

最後になりますが、この作品ではサー・ケイが本当にかっこよく描写されています。自分の不勉強さを棚に上げて言うと、サー・ケイといえば、アーサー王と円卓の騎士のお話でも、あまりぱっとするところの無いいわば引き立て役のイメージでした。ほぼ唯一の見せ場が、馬上試合で剣を折ってしまって、偉そうにアーサーに剣を取りに行かせて、アーサーが間違って(?)エクスカリバーを抜いてしまう。とそんなトホホなやくどころ。北斗の拳で言うところのジャギ、とは言い過ぎですが、そんなイメージ。

しかし、この作品においてはサー・ケイの皮肉屋で憎まれ口をたたきながら自分の仕事はしっかりこなす、頼れる兄貴っぷりを遺憾なく発揮しています。しかも、五章の最後に見せ場があるのですが、かっこよすぎです。

どうかっこいいのかは本編を読んでください!

後書きによると、この作品は次の章が最終章になる予定とのことです。基本的にコミケに併せて新刊がでるので、夏コミに期待しましょう。

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