ラノベ感想

「神統記(テオゴニア)」感想

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漫画調ではありますが、萌え系ではない表紙が目を引きます。

あらすじ

公式より

その日も、果てもなく殺し合いが続いていた…。

灰猿人(マカク)、豚人(オーグ)、蜥蜴人(ラガート)…亜人種らの度重なる侵攻に苦しむ辺境の地。
戦いのさなか、命の危機に瀕した少年カイの脳裏に突如甦えった前世の記憶。

「おにぎりが食いてえなぁ…」

この世の『仕様』に気付きを得たカイは、神の加護のもと、
抗い、這いずり、戦乱を生きる力を磨く――。

広漠たる世界と深き謎、そしてひとりの少年の成長を綴る一大叙事詩。
コミカライズも同時展開!

※電子版は書き下ろしショートストーリー『赤鼻の工房長』の特別付録つきです。

みどころ

なろう発の作品ですが、地に足のついた、本格ファンタジー。

とにかく、世界の描写が細かく、全編にわたって土の匂いでむせるような雰囲気で満たされています。そして、死が身近にある世界。ダークファンタジーと呼ぶ向きもありますが、死が身近にあるというだけで、登場人物たちは敵も含めて懸命に世界を生きています。

一応、転生ものなのですが、現在の知識を生かして無双するような描写は断片的に登場するのみで、「精霊の守り人」のように普通の異世界ものとしても通用します。

とにかく、世界の描写が緻密で圧倒されます。ここでいう世界の描写というのは風景の描写というのもさることながら、世界における土地神の成り立ちだったり、様々な人の日常生活の描写だったりします。とにかくいろんな方向からの描写が上手で世界の立体感を醸し出しています。

例によって、若干のネタバレを交えて、紹介していきたいと思います。

現実の持つ残酷さと少年の成長物語

割と人がすぐ死ぬせいか、キャラクターの描写はその世界における生活感を読者に説明するような範囲にとどまり、世界の描写や戦闘描写に重点が置かれています。
戦闘描写については必殺技とか、テンプレート、擬音はあまり使われておらず、とても丁寧に、なおかつ迫力のある描写で読ませます。

土地神さまの加護があれば、無双三昧。おいしいご飯も食べ放題です。一方で、加護を持たぬ者はまともな人扱いされず、すり減らされて生を終えます。そんな世界の残酷さをいくつかのエピソードを交えて話が進んでいきます。

ただ、敵となる豚人や灰猿人にも加護持ちが存在し、加護さえあれば何でもできるというわけではありません。

また、救済措置的に加護がない人でも「神石」があれば、ほかの人より強くなれるし、所々に経験や技術で加護をカバーする描写もでてきます。

それでも、基本的に生まれ持った力を覆すのが難しい、とても残酷な世界ですが...

主人公「カイ」は村の底辺で生活する少年でしたが、戦の乱戦に巻き込まれて、偶然にも別の土地神の加護の力を得ます。加護の力を得てからはしばらく無双状態でしたが、それでもそれを上回りそうな敵と遭遇し、死にそうな目にあいます。

なお、加護の力で本気を出すと顔に隈取が現れます。

様々な亜人によって構成される世界

登場人物は主人公属する人類以外にも、亜人と呼ばれる様々な種族が登場します。豚人、灰猿人、蜥蜴人、小人族などなど。それぞれの種族の特徴も徐々に紹介されては来ていますが、まだはっきりしていないところも多いです。

これは、カイと小人族のアルゥエの図

そういう意味では、読み切りの「赤鼻の工房長」。豚人さんのお話には一本取られました。豚人さんにも立派な文明もあれば社会もある。
今すぐには難しいでしょうが、将来的に豚人さんとの和解なんかもあったりするのかしら?

じつは、次号に続く

この本はナンバリングされていないため、1巻で完結するのかと思い、終盤になってどこに着地するんだとドキドキしていたのですが、普通に2巻に続くようです。
だまされた~。

Munacky は谷舞 司先生を応援しています。

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