ラノベ感想

本好きの下剋上 ~ 第四部「貴族院の自称図書委員II」

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お話紹介

ローゼマインが学園で図書委員をしながら、本を読みまくるというローゼマインの望んだような生活が送れると言うことは全くなく、今までのお話の通り、あちらこちらの騒動に巻き込まれたり巻き込んだりして行って、話が転がっていきます。

今回のお話は学園の中で今までローゼマインが領内でやって来たこと(リンシャン、髪飾り、製菓、製紙業)が世界に対してどんなインパクトを与えるかという目線でストーリーが進んでいます。

学園といっても、王族を始め、各地の領主候補生や貴族が通う学園ですので、社交の訓練という側面が嫌でも強調されていきます。

お茶会を通じてソランジュ先生とお話ししたり、王子様やエグランティーヌ様とお茶会をする様子がとてもた素敵すぎて、自分が参加できないのが辛い。

そして、魔法で動くぬいぐるみ、ヴァイスとシュワルツを巡って、話が巡る巡る。まさか、そこから話が転がって騎士の模擬戦に発展するとは思いませんよ。

そして、最後はローゼマインが地元に戻って、国元の話の報告を受けるスタイルでローゼマインが不在の時にどんなことがあったか、これからどんなことをするのかが読者に明かされます。

誰の目線で物語を楽しむか?

しばらく前に、ライトノベルを登場人物の誰の目線で読んでいるのかと話題になりました。まあ、自分の年代に近い人にだいたい感情移入するよねという結論でしたが、異世界転生モノでは、違和感なく主人公の目線で読めてしまうことが多いことに気がつきました。

まあ、過去の記憶をそのままに異世界に放り込まれてしまえば、異世界の同年代に人よりも、年下でも元の世界背景を同じくする主人公の方に感情移入できてしまうのは当たり前かもしれません。

この作品では当てはまりませんが、成年後(それもおじさん、おばさん)の人物が転生するとおじさん、おばさんの目線で主人公が葛藤したりするので、転生後の主人公が若者でも感情移入できてしまうのも、異世界転生ものが流行る理由の一つではないかなと思ったりしました。

トラウゴットさんの扱い

今回のお話の中で個人的に一番印象に残ったのが、主人公ローゼマインのトラウゴットに対する態度でした。

自分が気にかけるに値しない人に対してどういう態度をとるか?
今回のローゼマインの答えは積極的に罰を与えるのではなく、自分の不利益にならない保険をかけた上でトラウゴットに積極的に関わらないというものでした。

よく、「好きの反対は嫌いじゃなくて無関心」といわれますが 、自分も本当にそう思います。自分が価値を認められない人に対して悪感情を持って接するのではなくそもそも接しないという結論はすごく納得のいくものでした。

最後に

本好きの下克上もすでに14冊目になりました。今からこの本を追いかけるのは辛いかもしれませんが、本が好きな人なら、あっという間に読んでしまえると思います。未読の方は是非!

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